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コラム

(第1回)カラダを作るために欠かせない“炭水化物”の賢い摂り方

2017年07月27日 食(栄養)

「糖質」って悪者なの?

まず、カラダを作るために欠かせない三大栄養素のひとつである「炭水化物」は、体内でエネルギー源となる「糖質」と、体内では消化できない「食物繊維」とに分けられます。
「糖質」は、1gあたり4Kcalで、ヒトが生きていく上で最も利用されているエネルギー源です。糖質と聞いて、砂糖の入った甘い物かな?と考えがちですが、ご飯やパン、麺などの主食となる穀物類こそ糖質。「日本人の食事摂取基準2015」では、1日に必要なエネルギーの50%~65%を炭水化物で摂取することが推奨されており、炭水化物の中でも糖質がエネルギーを作る上で最も重要な栄養素なのです。また、糖質はエネルギー産生の導火線となって他の栄養素の代謝も円滑にします。さらに、勉強やスポーツのパフォーマンス向上にも欠かせない栄養素なのです。
しかし、糖質ゼロ・糖質オフ・低糖質など…糖質制限についての話題が取り上げられ、糖質が悪者のように思われがちです。糖質に関わる問題と糖質の上手な摂り方について、ぜひ知っていただきたいと思います。

 

血糖値を急上昇させない工夫を

実際、糖質の過剰は血糖値の上昇につながり糖尿病や肥満などの生活習慣病につながります。摂り過ぎは禁物です。一方、近年「血糖値スパイク」が様々な生活習慣病の原因となることが明らかになっています。血糖値スパイクとは、「食後に血糖値が急上昇し(食後高血糖)、その後急降下する現象」で、糖質自体が悪者なのではなく、急な血糖上昇が問題という考え方です。
そこで、現在は、食べたものをゆっくり消化吸収する「スローカロリー」が注目されています。
空腹時、ひと口目にご飯などの糖質の多い食品を口にしてしまうと、糖質が急速に吸収され血糖値も急上昇します。そのため、サラダなど食物繊維の多い野菜料理から食べたり、玄米など血糖値を上げにくい食材を選んだり、血糖値を急上昇させない工夫が必要なのです。

 

「糖質」と「食物繊維」を上手く摂ろう

ここでカギとなる栄養素が「食物繊維」。

食物繊維は、糖質と同じく炭水化物に含まれる栄養素ですが、血糖値の上昇を抑えるだけでなく生活習慣病の予防や改善にも大活躍。食事の際は、野菜・きのこ・海藻など食物繊維の多い食材もたっぷり食べて血糖値の急上昇を防止し、ゆるやかな糖質吸収で円滑なエネルギー産生をしましょう。

炭水化物である「糖質」と「食物繊維」を上手に摂って健康的にエネルギー補給を!

次回は、“タンパク質の役割”をテーマにお送りします。

 

<参考>
食事摂取基準2015

American Association of Diabetes Educators

一般社団法人スローカロリー研究会

筆者プロフィール

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菊池 恵観子(きくち えみこ)|管理栄養士・学術博士

2016年、共立女子大学大学院博士課程修了。
2008年から予防医学に関する研究を始め、2014年からは東海大学医学部で、予防医学、アンチエイジング、抗酸化栄養素、運動機能と食事を中心とした研究に従事。
現在は、医療法人社団進興会せんだい総合健診クリニックで特定保健指導や栄養指導、その他女性の健康に関する研究等を実施。東海大学医学部健康管理学研究員、専門学校でのスポーツ栄養学非常勤講師、その他多方面において予防医学に関する活動を展開。