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コラム

(第3回)カラダを作るために欠かせない “脂質”の賢い摂り方とは?

2017年09月08日 食(栄養)

「脂質」って何?

今回は前回同様に三大栄養素の一つである「脂質」。脂質は炭水化物と同様に私たちが生きていくうえで必要なエネルギー源となります。各三大栄養素の1g当たりのエネルギー量は以下のようになっており、脂質は炭水化物やタンパク質と比べて2倍以上のエネルギーを摂ることができます。これが、揚げ物・油物が太ると言われる要因となります。

<エネルギー産生量>
◆脂質=1g当たり9kcal
◆炭水化物=1g当たり4kcal
◆タンパク質=1g当たり4kcal

しかし、余ったエネルギーを体脂肪として貯蔵する場合は、炭水化物やタンパク質に比べて約半分の重量でエネルギーを保存することができるので体脂肪として貯蔵するためにはとても効率の良い成分なのです。そして太古の時代から氷河期などを乗り越えるために全ての動物にとって無くては成らない栄養素だったのです。

「脂質」の働き

脂質の主な働きとして、前に述べたようにエネルギー生成に関わること、私たちの身体の細胞ひとつひとつの膜である細胞膜の主要な構成成分であること、性ホルモン・副腎皮質ホルモンなどの生理活性物質として働くことが挙げられます。また、脂溶性ビタミンやカロテノイドなどの栄養素を一緒に吸収する上でも大変重要な栄養素です。「脂質=太る」と悪者のように扱われがちですが、脂質はエネルギー源としてだけでなく身体の機能において重要な働きをしているのです。

良い「脂質」って?

注目すべきは、脂質に含まれる脂肪酸です。脂肪酸には、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類があります。この、不飽和脂肪酸が良い脂質!コレステロールのコントロールを良くすることがわかっており、心筋梗塞などの心臓病予防にも効果があることが報告されています。近年注目されている、ω3脂肪酸(n-3系脂肪酸)やω6脂肪酸(n-6系脂肪酸)脂肪酸です。これらの脂肪酸は体内で作ることができないため、食品から摂取する必要があります。逆に、飽和脂肪酸は過剰摂取により動脈硬化につながることが分かっており注意をしたい脂肪酸なのです。良い脂肪酸が含まれている食品を選んで上手に摂取しましょう!

どんな食材が良い脂肪酸を摂れるの?

◆良い脂質(不飽和脂肪酸の多いもの)
・ω3脂肪酸
亜麻仁油、エゴマ油、青魚の油(サバ、アジ、サンマなど)
・ω6脂肪酸
ひまわり油、コーン油、ゴマ油
・その他の不飽和脂肪酸
オリーブオイル

◆良くない脂質
・飽和脂肪酸を含む食品
ラード、ヘット(肉類の脂肪)

次回は、“ビタミンの働き”をテーマにお送りします。

<参考>
食事摂取基準2015「1─3 脂質」

厚生労働省e-ヘルスネット「不飽和脂肪酸」

文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

筆者プロフィール

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菊池 恵観子(きくち えみこ)|管理栄養士・学術博士

2016年、共立女子大学大学院博士課程修了。
2008年から予防医学に関する研究を始め、2014年からは東海大学医学部で、予防医学、アンチエイジング、抗酸化栄養素、運動機能と食事を中心とした研究に従事。
現在は、医療法人社団進興会せんだい総合健診クリニックで特定保健指導や栄養指導、その他女性の健康に関する研究等を実施。東海大学医学部健康管理学研究員、専門学校でのスポーツ栄養学非常勤講師、その他多方面において予防医学に関する活動を展開。