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パフォーマンス向上を目指すアスリートへ

コラム

(第11回)休息が必要な故障と継続できる故障の見極め方

2018年04月16日 アスリートのための予防&ケア

今回は「休息が必要な故障と継続できる故障の見極め方」についてお話ししていきたいと思います。
休養か継続かというお話は、8月に公開しました第3回目のメルマガで少し触れさせていただいたのですが、今回はそれを少し掘り下げて、お話ししていきたいと思います。
第3回メルマガ「故障中の選手に対する精神的なフォローや治療院の選択」はこちら

前回の内容に少し触れますが、

≪休息か継続すべきかの判断≫

選手が故障してしまったら・・。

選手のモチベーションを維持する為にも「休息」か「継続」かの

≪早期判断≫

が必要になります。

結果、選手の「モチベーション維持」にもつながります。

これは、治療家や指導者の皆様にとっても難しい問題ですし、これからの課題でもあります。
やはり、ある程度の経験や知識も必要ですので、今日の内容は今後のご指導の参考にして頂ければと思います。

絶対休養の基準

選手が故障した場合、運動継続可能なものとそうでないものがあります。
絶対休養な怪我の場合、故障が長期化してしまう場合もある為、この判断は難しいですが、重要です。

≪休養が必要な怪我≫

安静が必要な故障部位(当院基準)

1位 アキレス腱炎
2位 アキレス腱周囲炎
3位 腸脛靭帯炎
4位 鵞足炎
5位 シンスプリント
6位 足底筋膜炎

アキレス腱周辺の怪我においては、経験上、なかなか治癒が進まないと思われます。
基本的に腱というのは血流も悪く、一度、痛めてしまうと、捻挫でもそうですが、時間がかかります。

当院では、基本、アキレス腱周辺の故障に関しては、走る事を禁止させ、症状によりますが、歩行での痛みがなければ、今できる最大のトレーニングを提案してあげる事も選手のモチベーション維持に繋がる事だと考えていますので、エアロバイクやウオーキング、スイミング等の代替え運動を勧めています。

当院の基準

参考までに怪我や故障に対する基準をお話しします。

①運動後、痛みが軽減し、最後まで運動ができた場合
→『軽度の故障』→『練習継続』

②運動後、途中から痛みが再開し、最後まで痛みが続く場合
→『重度の故障』→『練習中止』

③故障後、1週間の休養をしたのにも関わらず、再開後、再発
→『重度の故障』→『2~3週間の完全休養』

これは、私が患者様とカウンセリングする際、現症状からある程度の状況を把握し、ご指導させて頂く為の判断基準になります。
当院では、さらに詳しくご説明し、数パターンの基準を示させて頂き、今後の方針を立てさせていただいていますが、この内容は、ご参考程度で頭の片隅にでも入れておいて頂ければと思います。

怪我や故障の箇所により様々ですが、全ての怪我に対して『休みなさい』だけでは、患者様は納得しません。

治療家や指導者として、この症状なら『継続』、これは『中止』、『休養』といった適格な判断が出来る事は、選手からの信頼を得、モチベーションアップにつながる要因の一つかと思います。

その選手が、練習『継続』できる故障であっても痛みがあれば、故障者なのです。
代替え運動やストレッチ指導等の今できる最大のトレーニングを勧め、今後の目標設定をさせてあげながら、選手のモチベーションを維持させる事も大事ですよね。

ここでアスリートの故障で多く、少しやっかいな『アキレス腱炎』について少し触れておこうと思います。

アキレス腱炎

推奨休養期間   3W(完全休養期間)以上

アキレス腱炎は使いすぎによるオーバーユース症候群のひとつです。
運動による繰り返しストレスによりアキレス腱に微細な部分断裂や瘢痕化が生じ、そこに炎症が発生する怪我なんですね。

症状としては、かかと付着部から上方2~6cm部分に腫れがあり、押さえると痛みが増し、初期では、運動終了時や起床時に痛みが出ます。さらに進行すると安静時にも痛みを感じ、足のつま先を上げる時に痛みが増強します。過去に私も経験があるのですが、ひどい時は、車の運転が大変でした。アクセルを踏むのが難しくなる程の痛みで、その時は、少しアキレス腱にしこりの様な塊が出来始めていました。つまりは、かなり重症でした。

さて、この『アキレス腱炎』の判断ですが、

①歩行は問題ないが、起床時、痛みが出る
→『休養必要』(運動再開すると再発する可能性あり)
この状況だと、運動後、しばらくは痛みがないが、30分程度経過すると痛みが発症する場合が多い。

②アキレス腱をつまむと激痛が走る
→『休養必要』(アキレス腱部分になんらかの断裂が生じている)
つま先立ちで痛みを発症する事が多い。

③起床時の痛みや違和感が消失、運動後30分以上経過後も痛みなく継続できる場合
→『治癒が近い』
アキレス腱の治癒が進んできた証拠。
ここまで来ると、強度を上げない程度でトレーニングを継続できる。

これはアキレス腱炎に対する当院の基準です。参考程度にご覧頂ければ良いかと思います。

最後に先程の怪我や故障の判断基準をもう一度、

「運動中から最後まで痛い」、「休養したのに痛みが再発」

という状況、これはもう長引く故障の可能性が高く、完全休養が必要であるという事です。

これからは、季節も良くなり、身体も動きやすくなりますね。試合、レース、トレーニング共に活発な時期です。日々、自分の状況に耳を澄ませ、身体と対話しながら、最高のコンディションで望めるよう心掛けていく事も大事になってきます。

身体に違和感や異常を感じたら、長引かせない為にも、一人で悩まず、指導者や治療家の先生に『即相談』これも大事ですよ。

さて、次回は「筋肉をコントロールする」という内容でお話ししたいと思います。

筆者プロフィール

column_yoshida_face 吉田 浩章(よしだ ひろあき)|トレイルランナー・よしだ整骨院院長

高校・大学と山岳部に所属し、インターハイ、国体選手として活躍し、国内外の雪山を始め様々なバリエーションルートを登り活躍。社会人以降は、国内の山を活動場所とし、2005年には日本百名山、関西百名山、近畿百名山(当時27歳)で全山完登。ここ数年は、山を走る楽しさを覚え、全国のトレイルランレースやマラソン大会にも参加している。現在、和歌山県岩出市にて整骨院を経営し、アスリートやランナーへのコンディションニング及び治療に専念している。又、得意とするスポーツテーピングの講師としても活躍。

吉田浩章先生Facebook https://www.facebook.com/h.yoshida.sbb

よしだ整骨院Facebook https://www.facebook.com/yoshida.seikotsuin